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人気のラッコ、実は今日本に3匹しかいない…!絶滅危惧種になってしまった理由とは?

人気のラッコ、実は今日本に3匹しかいない…!絶滅危惧種になってしまった理由とは?

#SHOW CASE
  • 海の豊かさを守ろう

3月20日は「動物愛護デー」でした。この日にちなみ、1882年に日本初の動物園である「上野動物園」が開園しました。さて、動物園や水族館で人だかりができているのはどこでしょうか。人気者としては、ラッコやパンダをはじめカピバラやペンギンなどが挙げられますが、その中でも最近、「ラッコ」が日本からいなくなってしまうのではないか、と心配される声が増えてきています。今回は、動物も含めた持続可能な社会について考えていきましょう。

ラッコの人気の秘密とは

ラッコは、海に生息する哺乳類でクジラ、イルカ、ホッキョクグマ、カワウソなどと同じく海獣の一種で、通常は、北太平洋から千島列島の沿岸などの寒い地域に生息しています。エサの種類は、スルメイカ、ウチムラサキガイ、カジキ、タラ、アマエビ、ワタリガニと幅広く、飼育員さんからは食費がかさむ動物だとも言われています。

日本では人気アニメ「ぼのぼの」、LINEスタンプで有名になった「突撃!ラッコさん」をはじめ各社のキャラクターに起用される人気の動物。ラッコがカワイイと言われる理由には、いくつかあります。例えば、お腹に赤ちゃんを乗せて泳ぐ姿や、バンザイや目隠しのポーズが愛くるしいこと。表情が豊かで、ふわふわしている見た目が癒し系なところ。さらに、霊長類以外で唯一、道具を使う哺乳類で自分専用のマイ石で貝などを割って食べる姿に、親しみを感じる人もいるのではないでしょうか。夜は、仲間とはぐれないように手をつないで眠る、という特徴も人気のひとつです。

どの場面でも愛されキャラのラッコ、1994年のピーク時には日本全国28か所で122匹いました。しかし、約100年前から優れた断熱性をもつラッコの毛皮などを目的とする乱獲が始まったことや、1989年にアラスカ沖で起きたタンカーの原油流出事故、1998年のワシントン条約での国際取引規制により、アラスカなどの大生息地がある米国から日本へのラッコ輸出が禁止になったことなどが理由で、現在日本で見られるラッコは3匹しかいません。

絶滅危惧から学べること

現在、日本で見られるラッコは、三重県鳥羽水族館のキラ(14歳/メス)とメイ(18歳/メス)、そして福岡県マリンワールド・海の中道のリロ(16歳/オス)の3匹です。この3匹は高齢化と血縁関係の理由で繁殖ができません。そのため、日本の水族館でラッコが見られるのは、この3匹が最後となってしまう可能性が高くなっています。
世界的に見ても、ラッコは2000年からIUCN(国際自然保護連合)が絶滅危惧種に分類し、2020年にレッドリストに登録されてしまいました。IUCNは、自然保護に関する世界最大のネットワークで1948年に設立。現在は世界の1,200の組織が会員となり、世界160カ国の専門家が生物多様性保全のために尽力している団体です。IUCNは、自然が持つ本来の姿とその多様性を保護しつつ、自然資源の構成かつ持続可能な利用を確保するため、世界中に影響を及ぼし、支援していくことを使命としています。

ラッコ以外にも日本では、チョウザメ、イリオモテヤマネコ、ジュゴンなどが同じレベルの絶滅危惧種だと認定されています。そして、残念なことに、既に絶滅してしまった動物には、オキナワオオコウモリやニホンオオカミなどが挙げられます。
ニホンオオカミは、1905年(明治38年)に絶滅。西洋犬の輸入に伴う狂犬病などの病気が流行したことや、家畜への害を恐れ徹底的に駆除されたこと、森林開発による住処の減少が主な原因とされています。古来山の神として認識され、民話や昔話にもよく登場するオオカミ。この痛手から私たちが学ぶことはないでしょうか。

世界のラッコの保護活動

世界各地では、ラッコの保護活動が積極的に行われています。カリフォルニア州モントレーベイ水族館のSORAC(ラッコ調査保護機関)では、怪我などで打ち上げられたり、親とはぐれてしまったりしたラッコを保護し、リハビリ後に野生に帰すという活動を行っています。
さらに、モントレーベイ水族館には「代理母プログラム」というものがあり、メスのラッコが代理母として保護された赤ちゃんラッコに潜水、餌取り、毛づくろいなどを教えます。この代理母に育てられたラッコは、人間が育てるよりも野生に戻ったときに生存率が上がったそう。その他、アラスカやカナダでもラッコを公的に保護する機関があります。
野生にうまく戻れたラッコたちが徐々に増えている影響か、日本でも北海道浜中町の霧多布(きりたっぷ)岬周辺で、5〜6匹の野生のラッコが生息しているのが確認されました。2016年頃に北方領土から流れ着いたようで、ラッコの絶滅危機に対する一筋の光だともいえます。

ラッコを守る為にわたしたちができること

霧多布岬はラッコが見られる場所として有名な観光地になっていますが、ラッコはストレスに弱い動物。できれば遠くからそっと見守ることが推奨されますが、観光客がドローンを飛ばしてラッコを驚かす、というような行為も目立つそうです。私たちの身近な行動でどうしたら野生のラッコを守ることができるのか、例えば、お皿やコップは洗う前にふき取って生活排水を綺麗にするなど、小さな積み重ねがラッコを守るかもしれません。この機会に一度考えてみてはいかがでしょうか。

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WRITTEN BYSDGs MAGAZINE

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